こんにちは!管理栄養士のゆうゆうです。
たんぱく質がダイエットに重要な栄養素であることは、たくさんのメディアで取り上げられ、常識になってきています。
「たんぱく質が必要なことは分かってるけど、どれくらいとればいいか分からない」
「栄養計算なんてしたくない。もっと簡単にわかりやすく教えて」
そんな風に思ったことはありませんか?
この記事では、たんぱく質の必要な摂取量を具体的に献立を参考にして解説します。
もしかしたらそのタンパク質の食べ方、無駄になってるかもしれませんよ!
- ダイエットしている方
- たんぱく質をどれくらいとればいいか分からない方
- バランスのよい食事をとることが難しいと思っている方
たんぱく質の役割

そもそもたんぱく質とは、炭水化物・脂質にならぶ三大栄養素のひとつです。
炭水化物と同じ1g=4kcalのエネルギーがあります。
糖質や脂質がエネルギー源として十分にあるときは、たんぱく質は筋肉や髪・爪・臓器・血液・ホルモンなどの材料として使われます。
しかし、使われずに余ったたんぱく質は尿として排出されたり、一部は脂肪やグリコーゲン*¹という形で体内に蓄えられます。
多数のブドウ糖が複雑に連なった多糖類で、肝臓や骨格筋に蓄えられている。
運動時や血糖が下がったときなどに、一部をブドウ糖に分解してエネルギー源となる。

簡単に言うと
「ブドウ糖の塊で必要な時に一部をエネルギーに変換できる糖の貯蔵庫」
たんぱく質は、炭水化物・脂質と比べると脂肪になりにくい栄養素ですが、たくさん摂ればいいというわけではないので、1日の摂取カロリー内で必要量を摂りましょう。
たんぱく質がダイエットに必要な理由

筋肉量維持に必要
筋肉は常に分解と合成を繰り返していますが、筋肉の材料になるたんぱく質が不足すると合成ができずに分解がどんどん進んでしまいます。
筋肉量が低下すると、基礎代謝量が低下し太りやすい身体へとなってしまうのです。
特に運動をしている方は筋肉修復の際にたんぱく質の必要量が増えるため、意識して摂りたいですね(^^)
血糖値が上がりにくい
糖質を摂取すると血糖値が上昇し「インスリン」というホルモンを分泌します。
この「インスリン」というホルモンには脂肪をため込む作用があるため、血糖の急上昇はなるべく避けたいところ。
それに比べてたんぱく質は血糖値を上げにくい作用があり、インスリンの過剰分泌を抑えることができます。つまり、食べても太りにくいということです。
食事誘発性熱産生(DIT)が高い
食事誘発性熱産生(DIT)とは食べ物を食べたときに、消化・吸収・運搬によって消費するエネルギーのこと。
食事をとったときに体がポカポカするのは、この食事誘発性熱産生によるものです。
食事誘発性熱産生は栄養素によって異なり、糖質のみでは約6%、脂質のみでは約4%なことのに比べて、たんぱく質のみの場合は30%ととても高くなっています。
たんぱく質をしっかりとることで、食事による消費カロリーをアップさせることができるんです。
キレイに瘦せるため
先述した通り、たんぱく質には髪・肌・爪などの材料になります。
特にダイエット中では食事制限などで栄養が偏りやすく、肌や髪に栄養が十分にいかなくなる可能性があります。ハリのある肌・艶のある髪を維持するためにも、しっかりとタンパク質を摂りたいですね(^^)

せっかく痩せても、髪や肌がボロボロじゃ台無しだもんね!
≪たんぱく質が必要な理由≫
・筋肉の分解を防ぐためにたんぱく質は必要。筋肉量が下がると代謝が下がって痩せにくい身体になる
・DITが高い
・血糖値の急上昇を予防し、脂肪をため込むのを抑制する
・ハリのある肌・艶のある髪など健康的で綺麗な身体を保つため
たんぱく質はどれくらい摂ったらいい?

1日の摂取量
たんぱく質の摂取量は1日の摂取カロリーの13~20%です。(日本人の食事摂取基準(2020年版)より)
例)2000kcalの場合、1日のたんぱく質摂取量は65~100g
体重1kgあたり1~2gという考え方もあります。
例)体重55kgの場合、1日のたんぱく質摂取量は55~110g
体重1kgあたり1gは活動量が少ない方、体重1kgあたり2gはしっかり筋トレをしているなど活動量が多い方が当てはまります。

1食の摂取量

私は朝食べないし昼はサラダとゆで卵だから、夕食にお肉やお魚をたっぷり食べよう!

ちょっと待って!それじゃ、うまくたんぱく質が吸収されないよ!
1食のたんぱく質の摂取目安量は20~30gです。
たんぱく質は1度に吸収できる量が限られているため、1度にたくさん摂っても余分なたんぱく質は排泄されてしまいます。
少なすぎては、筋肉の分解が進む可能性があるため、1食20~30gを目安に取るようにしましょう。
・1日のたんぱく質摂取量は、1日2000kcalの場合で65~100g。もしくは、体重1kg×1~2g
・1食のたんぱく質の摂取量は、20~30g
たんぱく質の種類・摂り方のポイント

動物性と植物性をバランスよくとる
たんぱく質には、肉・魚・卵などの動物性たんぱく質と、大豆を代表とする植物性たんぱく質があります。
これらをバランスよく摂ることが理想的です。理想的な比率は1:1といわれています。
- アミノ酸のバランス(アミノ酸スコア)
◎動物性たんぱく質はアミノ酸のバランスがよく、効率よく吸収される
△植物性たんぱく質は若干アミノ酸のバランスが悪く、吸収効率が少し低い - 脂質とカロリー
△動物性たんぱく質には脂質が多いため、摂りすぎると脂質過多やカロリー過多になる
◎植物性たんぱく質は低脂質で低カロリー - 血中アミノ酸濃度
○動物性たんぱく質は、血中アミノ酸濃度が一気に高くなるが、長時間維持できない。
○植物性たんぱく質はゆっくり吸収されるが、血中アミノ酸濃度を長時間維持できる - 筋肉の合成と分解
○動物性たんぱく質は筋肉合成を促進する効果が高い
○植物性たんぱく質は筋肉分解を抑制する効果が高い
※つまり、デメリットを補い合えるので一緒に摂取するといいとこどり!!
植物性たんぱく質というと大豆や大豆製品がまず頭に浮かびますが、実はごはんやパンなどの炭水化物にも含まれています。
食品名(1食当たり) | たんぱく質 |
オートミール 30g | 4.1 |
食パン 4枚切り1枚 | 8.9 |
うどん ゆで 250g | 6.5 |
パスタ ゆで 220g | 12.8 |
白ごはん 150g | 3.8 |
そば ゆで 200g | 9.6 |
炭水化物にも意外とたくさんのたんぱく質が入っていることにびっくりしませんか?
パスタは1食分で12.8g‼これはささみ1本分のたんぱく質量とほぼ同じです。
でもここには落とし穴があります。
それはパスタのアミノ酸スコアが49と低いこと。

アミノ酸スコア?なにそれ??
食べ物の『タンパク質の量』と『必須アミノ酸』が、バランス良く含まれているかを数字で点数化したもの。肉・魚・卵・大豆などは良質なたんぱく質であり、ほとんどがアミノ酸スコア100。

パスタはアミノ酸スコア49だから、パスタの麺だけで食べたらたんぱく質の49%しか体たんぱく質の合成に利用されないってことだよ。
でも、アミノ酸スコアが低い食品でも、バランスをよくする食べ方があるんです。
それは、アミノ酸スコアが高い他の食品と組み合わせること。
例えば、パスタだったら、エビ・魚・卵・チキンなどの良質なたんぱく質を組み合わせることで100点に近づけることが可能になります。

だからいろいろな食材を組み合わせて食べる必要があるんだね!
筋トレするときのたんぱく質の摂り方
筋トレ後の食事
筋トレなどのしっかりとした運動をした後は、筋肉の合成する働きが高まってるためたんぱく質を摂ることが必要です。
以前は「筋トレ後のゴールデンタイムは30~45分で、その間にたんぱく質を摂る必要がある」という情報が常識的でした。
最近では徐々に筋肉を合成する働きは下がるものの、筋トレの48時間後も筋肉合成促進効果は続いていることが報告されています。
筋トレ後に焦ってたんぱく質を摂る必要はないかと思いますが、筋トレの2~3時間後程度で合成のピークに達するため、いずれにしてもなるべく早くたんぱく質を摂ったほうがいいでしょう。
筋トレの翌日以降も意識してたんぱく質を摂りましょう(^^)
また、筋トレ後は糖質を摂ることも大切!
筋トレ後はグリコーゲン量が減っているため、そのままにしているとブドウ糖が足りずにエネルギーを作り出すことができません。
こうなると、筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。
せっかく鍛えた筋肉の分解を防ぐためにも、たんぱく質と糖質はセットで摂りましょう。
筋トレ前の食事
筋トレ後の食事はとても大切ですが、筋トレ前の食事も大切なんです。
空腹状態で筋トレをすると、筋トレに必要なエネルギーを作るために筋肉を分解して、筋トレの効果が大きく落ちてしまいます。
筋トレをする前に食事をするベストなタイミングは2~3時間前!
消化吸収されるのが2~3時間かかるため、このタイミングで摂っていると効率的にエネルギーに変換することができます。

タイミングよく食事がとれなかった場合は、消化吸収が早いバナナを筋トレ前に食べるのもおすすめだよ。
・動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を1:1の割合でバランスよく摂取する
・筋トレ後48時間は特に意識してたんぱく質を摂る
・しっかり筋トレした後は、たんぱく質と糖質をセットで摂る
・筋トレ前の2~3時間前に食事を摂る

しっかり筋トレしたときに「たんぱく質が摂れない~」というときは、プロテインを活用するのも一つの方法。でもプロテインは補助食品だからバランスよい食事が基本ということを忘れずにね!
献立の例を見てみよう

今回は1日1600kcalの設定で献立を作成しています。
E:エネルギー(カロリー)P:たんぱく質 F:脂質 C:炭水化物(糖質)
朝 | 玄米ご飯150g |
具だくさん味噌汁 | |
目玉焼き | |
納豆 | |
無脂肪ヨーグルト(はちみつ入り) | |
E:579kcal P:25.6g F:12.9g C:86.5g 食物繊維:8.3g | |
昼(セブンイレブン) | もち麦もっちり!梅こんぶおにぎり |
もち麦もっちり!紅鮭わかめおにぎり | |
たんぱく質が摂れる。鶏むね肉のサラダ | |
E:549kcal P:34.9g F:13.8g C:66.3g 食物繊維:10.5g | |
夕 | 玄米ご飯150g |
白身魚のムニエル | |
(付け合わせ)トマト、ブロッコリー | |
ほうれんそうのお浸し | |
冷奴 | |
E:519kcal P:38.1g F:15.7g C:59.1g 食物繊維:8.8g | |
1日合計 | E:1647kcal P:98.6g F:42.4g C:211.9g 食物繊維:27.6g (P:F:C=24%:24%:52%) |

ご飯は毎食とっても大丈夫なんだね!
でもこんなふうに毎回計算できない~

毎回計算するのは無理だよね!
バランスが整うように大体の目安量をお伝えするよ~
- ごはんは1食あたり、握りこぶし1個分
- 肉魚は1食あたり、手のひら(指以外)にのる程度(100g前後)
- 生野菜は1食あたり両手軽く1杯(火が入った野菜は片手1杯)
- 大豆製品を1日のどこかで取り入れる
- 主菜は肉魚交互に。昼食が肉だったら夕食は魚にする
- 食べ過ぎた日やバランスが崩れた日があっても前後の数日で調整すればOK。
まとめ
今回はダイエットにたんぱく質が必要な理由と摂り方についてお伝えしました。まとめると以下の通りです。
- 筋肉量が落ちて代謝が下がるのを避けるためにたんぱく質はとても重要
- ハリのある肌や艶のある髪を保つためにもたんぱく質は必要
- 毎食、1食あたり20~30gのたんぱく質を摂取する
- 動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく摂取する
たんぱく質をしっかりとって、健康的なダイエットを行いましょう(^^♪
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